この読書会について

この読書会では、月に一回、東京のカフェで、古典文学の名作をみんなで読み、自由にトークします。
文化的なサロンを目指しています。

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10/1 読書会 川端康成『眠れる美女』

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10月の読書会を開催します。
終了後、食事会もあわせて開催します。

【日時・場所】 10月1日(日)
・15時~17時 読書会
 カフェミヤマ高田馬場 会議室 1,3
(※今回だけ場所が変わります)
 
・17時~ 食事会
 わん
 (禁煙です)

【費用】
・読書会……1000円(飲み物代と部屋代込み)
・食事会……3000円程
     
【定員】 25名
 
【テーマ】
川端康成『眠れる美女』(新潮文庫)
(本全体です)

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波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。

真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女――その傍らで一夜を過す老人の眼は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。

熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の名作「眠れる美女」のほか「片腕」「散りぬるを」。
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この作品について、お茶を飲みながら自由にトークします。
真面目な話をしなくてかまいません。脱線も歓迎。
脱線をしながら、色んな芸術分野に話の翼を広げていくのが理想です。
今までの会の様子はこちらをご覧ください。

なお、ブログ、Facebookで同時に募集します。

参加ご希望の方は、こちらまでメールをお願いします。
食事会に参加ご希望の方は、その旨もお書きください。
みなさま、お気軽にお越しください。


(ビジネス、サークル等の勧誘は固くお断りします)

9/3 読書会 ウィリアムズ『欲望という名の電車』

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(このイベントは定員に達しました。ありがとうございます。キャンセル待ちは募集しておりません)

9月の読書会を開催します。
終了後、食事会もあわせて開催します。

【日時・場所】 9月3日(日)
・15時~17時 読書会
 ルノアール四谷店 会議室 3F
 
・17時~ 食事会
 木々萌
 (禁煙です)

【費用】
・読書会……1000円(飲み物代と部屋代込み)
・食事会……3000円程
     
【定員】 25名
 
【テーマ】
ウィリアムズ『欲望という名の電車』

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~元名家の女が粗野な男に暴かれる、驚愕の過去――。
 アメリカ文学史、演劇史に燦然と輝く、ピューリッツァー賞受賞作。~

「『欲望』という名の電車に乗って」ブランチが降り立ったのは、ニューオーリアンズの下町フレンチ・クォーター。南部の大農園の娘から身を持ちくずし、妹ステラのアパートに身を寄せた。

傷心のまま過去の夢に生きる彼女を迎えたのはしかし、ステラの夫スタンリーらの、粗暴なまでの“新しいアメリカ”の生だった――。

1947年初演、ピューリッツァー賞受賞の、近代演劇史上不朽の名作。
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この作品について、お茶を飲みながら自由にトークします。
真面目な話をしなくてかまいません。脱線も歓迎。
脱線をしながら、色んな芸術分野に話の翼を広げていくのが理想です。
今までの会の様子はこちらをご覧ください。

なお、ブログ、Facebookで同時に募集します。

参加ご希望の方は、こちらまでメールをお願いします。
食事会に参加ご希望の方は、その旨もお書きください。
みなさま、お気軽にお越しください。


(ビジネス、サークル等の勧誘は固くお断りします)

読書会レポート 2017年8月

~ヘッセ『荒野のおおかみ』~

「自分は昔から生きとし生けるものの両極性を貴ぶものであり、いつも矛盾性と魂の二元性とに心をひかれてきた」

「荒野のおおかみ」では、相反する理性と本能という人間の二元性、そしてヘッセ自身が文学作品を通して生涯問いつづけた「内面への道」がテーマとなっている。

時代背景は第一次世界大戦直後のドイツ。異国文化が流れ込み、機械化の進む市民生活においては、主人公ハリーが慣れ親しんできた、自然、音楽、哲学思想は軽んじられるようになる。そんな社会風潮に同調できずに孤立を極めたハリーは、自分とは正反対な生活を送りながらも同じ絶望を抱える不思議な女性ヘルミーネの導きで、ダンスやジャズをたしなむようになり、これまで敬遠してきたものたち、さらには自分自身の混沌とした内面と向き合おうと奮闘する。はたしておおかみと人間の二元性は、共存、和解あるいは克服しうるのか…?

前半はストーリー性や時系列といった理解のヒントとなる要素や人物描写が少なく読みづらいと感じた人が多かった。そもそも登場人物が少ない。ヘッセ自身が投影されたハリ―、彼が敬意をよせるゲーテ、ニーチェ、モーツァルト、そしてヘルミーネは(おそらく)ハリ―の一部であり、パブロはモーツァルトの化身ではないかという意見を汲むと、物語というよりはヘッセ自身の頭の中の葛藤をそのまま描いた作品であることがわかる。

支離滅裂な幻覚か夢ともとれる魔術劇場の場面では特にそれが顕著に感じられた。そこでハリーはついにおおかみと向き合い、おおかみを「笑い」で消滅させる。そして自分の良き理解者であり、理想の女性の象徴でもあったヘルミーネをも刺し殺してしまう。もちろん、すべてはハリーの劇場、精神世界での出来事である。

一見、破滅的な結末のようだが、ハリーは最後にモーツアルトに「永久に生きる罰」を処され、生きることを、ユーモアを学ぶよう諭される。自分自信の苦悩、真剣さ、悲壮感を笑い飛ばすことで「能力の衝動や努力の残余の全混沌」であるおおかみと別離する。

永久に生きる罰―それはヘッセが自分自身に課したある種の希望でもあった。作家として作品や思想を残すこと、すなわち死への恐怖や時間という障害を乗り越え、「永遠」を目指すことで、今後の人生を歩む決心と希望を見出したのではないか。彼の“不滅なものに対する強い信仰”が感じられるエンディングである。

作品全体には、死、神、永遠、自由といった形而上学的テーマがちりばめられ、(翻訳の堅苦しさも相まって)難解で憂鬱と感じる人が多かった。それでも、魔術劇場での一幕は退廃的なヌーヴェルヴォーグの映画のような疾走感や、デヴィット・リンチのサイコスリラー映画のような不気味さがあり、文学作品として十分に楽しめる要素もある。また、読書会で視聴したSteppen wolf の音楽やヒッピー運動は、反戦思想、自由と平和を唱えたヘッセから大きな影響を受けている点からも、彼の作品は多方向からの解釈が可能だ。東洋思想的な魂や個性とらえ方、精神分裂症や人格形成といった心理学的キーワードからこの作品を読み解くのも面白いかもしれない。

最後に、物質的に満たされた世界で、生活に追われ自己と向き合うことがないがしろにされているというヘッセの批判は、現代人にも通ずるところがある。答えのない問いは不必要といえばそれまでだか、意味がないわけではない。自己探求や人間の美徳とは何かといった古典的テーマを熟考してみるきっかけとして本作品を読み返してみることをお薦めしたい。

(By T.S.)

読書会レポート 2017年7月

~三島由紀夫『春の雪』~


 「優雅というものは禁を犯すものだ、それも至高の禁を」


 松枝侯爵家の嫡子にして美貌の松枝清顕は、幼馴染の伯爵令嬢である綾倉聡子が宮妃になるとの勅許が下りた瞬間、かねてより望んでいた「絶対の不可能」に向かって走り出した。

 宮妃との内通は皇室に対する不敬であり、清顕と聡子が生きた時代では大罪である。清顕は20歳の若さで死に、聡子は清顕の子を堕胎した末に剃髪し、この世では二度と清顕に会わないと決意するのである。

 「春の雪」は、男女二人がこのような悲劇的な結末を迎えるゆえに、「悲恋小説」であると言われることが多い。
 確かに、清顕と聡子の「恋」が結婚という形で成就しなかった背景には、清顕が聡子に誇りを傷つけられたと感じたことに対する復讐があり、二人の感情の行き違いが悲劇を生んだといえる。

 しかし、清顕が欲していたのは「絶対の不可能」であり、聡子は清顕の手の届くところにあった「絶対の不可能」に過ぎなかったと考えると、清顕は聡子に恋していたといえるのか、「春の雪」は果たして恋愛小説といえるのかという疑問がある。

 この問いに対して、そもそも恋愛小説とは何かという意見から始まり、清顕の年齢の若者は恋愛と執着の区別がつかないのではないか、清顕は初めから聡子に恋をしているのであるが、年上の聡子に対して優位に立ちたいあまり、冷淡な態度を取ってしまっていたのではないか、といった意見が聞かれた。清顕のように自意識(美意識)過剰の青年は、現代にも少なからず存在するだろう。

 関連して、「春の雪」で描かれている恋愛は観念的で作り物めいているという感想もあった。「観念的な恋愛」というテーマは同じく三島由紀夫の「美徳のよろめき」でも描かれている。「美徳のよろめき」のヒロインで人妻の節子は、「道徳的な恋愛をしよう」と思い立ち、その相手として知人の青年を選ぶのである。その青年自身に恋しているから恋愛をするのではなく、「道徳的な恋愛」という目標の達成を可能にする相手を選んで恋愛をするというのは、本末転倒のようにも思われるが、「春の雪」も同じ構図ではないだろうか。清顕が聡子に対して「一般的な意味で」恋していたかどうかについては意見が分かれたが、清顕の最終的な目標は「絶対の不可能」であり、 それに 直面する手段(過程)が聡子との「恋愛」であったとすると、「春の雪」は三島由紀夫の得意とする観念的な恋愛小説ということになる。

 
 次に、「春の雪」は恋愛小説であると同時に、輪廻転生をテーマとした「豊饒の海」4部作の導入でもある。「春の雪」の登場人物の何人かが2作目以降の「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」にも現れるのであるが、「春の雪」ではその後の展開の予兆となるべき伏線が張られていることが指摘された。
 4部作を通して登場し、輪廻転生を見守るのが清顕の親友の本多であるが、「春の雪」における本多は理性的な人物として描かれている。法律を勉強していた本多は「奔馬」で裁判官となり、松枝家の書生であった飯沼の息子の勲が起こした事件のために弁護士に転じ、清顕の代わりに勲を救おうと奮闘するのであるが、「暁の寺」では覗きを趣味とする老人になってしまう。「春の雪」では本多が殺人事件の裁判を傍聴する場面があるが、事件に接するうちに、熱い闇に惹かれる心理が自分にもあることに気づくのである。この裁判の場面は、本多が他人の情熱を見守る立場から、情熱に突き動かされる立場に変化することの伏線ではないかとの意見があった。三島由紀夫が計画的・論理的に物語を構成する作家であることがよくわかる。

 「豊饒の海」4部作のうち、「春の雪」「奔馬」「暁の寺」では、主人公となる人物が20歳で夭折する。3つの作品が夭折で終わることに対しては、三島由紀夫自身が夭折を夢見ており、戦争で死ぬつもりであったのに戦後も生き残ってしまったことから、三島由紀夫の理想の死を描いているのではないかとの意見があった。
 実際に、「豊饒の海」では夭折せずに生き残る人物は堕落していく。本多は覗き老人となり、書生の飯沼も俗物となる。これに対して、夭折した人物は美しいまま残された者の記憶に残る。最後まで生き残った人物の中で美しいままであったのは聡子であるが、「天人五衰」では、聡子のいる月修寺を訪ねた本多に対して、これまでのストーリーを全否定するようなことを言うのである。タイトルの「豊饒の海」は月面の盆地であり、水も生命体も存在しない場所である。「天人五衰」の結末については議論のあるところだが、「豊饒の海」というタイトルは結末の伏線になっているのではないかとの指摘もあった。聡子の最後の言葉通り、全てが初めから存在しなかったとするならば、三島由紀夫は「豊饒の海」という超大作を通して、三島一流の華麗な文章を通して何を伝えたかったのであろうか?
 
 三島由紀夫のインタビューを聞いたことがあるが、現代では死から物語が失われているということが述べられていた。単なる病死や寿命による死には物語が存在しないが、青春の絶頂の死は物語の題材となる。ドラマティックな死に魅せられ、自らの死もドラマティックに演出しようとした三島由紀夫は、自分の美意識を総動員して「春の雪」を筆頭に「豊饒の海」を描いたのであると思われる。三島由紀夫自身が「輪廻転生」を信じていたかどうかということも議論になったが、「輪廻転生」は夭折する美しい者と、夭折がかなわず夭折の美を傍観し続ける者という構図を成り立たせるための道具立てとしての役割を果たしているといえる。

(by Y.S)
プロフィール

東京読書会

Author:東京読書会
古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
肩の力を抜いて、真面目な話でなくてかまいません。

まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
古典的名作だけに、読んで損をすることはないでしょう。

参加される方の割合は、初めての方とリピーターの方が半々といったところです。

読書会の告知は、毎月下旬頃(読書会の45日ほど前)から始めます。

★「FRaU」(講談社)、『TOKYO BOOK SCENE』(玄光社)、NHK「ラジオ深夜便」、東京ウォーカー(KADOKAWA)で東京読書会が取り上げられました!


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