第20回 読書会レポート

まだ参加3回目、ビギナー(?)がお送りするレポートです。

今回取り上げたのは、モームの「月と六ペンス」です。

「読みやすかった」「ひきこまれて長さが気にならなかった」という声が、多く聞かれました。画家ゴーギャンがモデルと言われる主人公ストリックランドですが、当然ながらストリックランドが描いた「絵」は存在せず、誰も観ることはできません。それでもモームの表現するストリックランドの「絵」には訴えかけてくるものがあり、響くものがある。時代や文化を超えて、「月と六ペンス」の世界を身近に感じた方々が多かったようです。

そこから芸術家の放つ吸引力や生活や家族や友人への圧倒的なまでの無関心、それらに振り回されるストリックランドをめぐる人々にも話は広がっていきました。なぜか「ストリックランドと女性」より、「ストリックランドと男性」の人間模様のほうに注目が集まり、「これはボーイズラブか?」「ボーイズでなければおっさんラブか?」「ストリックランドは実はさみしがり屋か?」「かっこわるいツンデレか?」などなど、笑いが絶えないながらも白熱した議論?が展開されました。

土地の女性と結婚し絵に没頭できたタヒチでの数年が、ストリックランドにとってはいちばん幸せだったのでは・・。この感想から、なみなみならぬシンパシーを感じ合った「異国の土地」はないか?というテーマにもつながりました。そして、旅行や外国暮らしの体験を切り口に、まさにゴーギャンの絵のタイトルのようですが、「私たちはどこに行くのか?」と、それぞれにとってのタヒチ(=楽園かつ終着地)について、思いを巡らせるひとこまも。

話題が飛ぶようで実はぜんぶつながっている、内容の重い・軽いがどんどん変化し、気がつけば重い・軽いが関係なくなっていくところが、いつもながら楽しいところです。

最後に「月と六ペンス」というタイトル。本文のどこかで説明があるのかと思って読み進み→でも最後まで出てこない→レビューや解説ではじめてわかる・・という流れになっています。作品でいっさい言及しないところに、『通俗作家』モームの軽やかさをあらためて感じますね。

「この会に参加して、難しい本も読んでみよう!」という実に生真面目な目的があったワタクシですが、軽さを何倍にも味わって実は・・・という楽しみも読書会にはあるのだニャ♪と新たな発見の2時間でした。

(by ユキダルマ)
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Author:東京読書会
古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
古典的名作だけに、読んで損をすることはないでしょう。

参加される方の割合は、初めての方とリピーターの方が半々といったところです。

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