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読書会レポート 2017年5月

~『嵐が丘』 エミリ-・ブロンテ~

エミリ-・ブロンテの唯一の長編小説。
「世界の三大悲劇」や「世界の十大小説のひとつ」と評されている。

話の舞台は、1765年~1802年のイギリス ヨークシャー。荒涼とした自然に佇む“嵐が丘”の主人に拾われたジプシーの子ヒースクリフとその家の娘キャサリンとの親から子へ2代にわたる愛憎劇。キャサリンの「私はヒースクリフ」というセリフが有名。


強烈なキャラクターが多いせいか、その行動について疑問に思う箇所が多く、これは何故?という疑問に対して、みんなでそれぞれの意見を述べる感じで進行していきました。

Q女性のこころを揺さぶる部分はどこか?
⇒女性は自分に一途な人と王子様のような人との両天秤のシチュエーションが好き。
Qヒースクリフは魅力的なのか?
⇒悪魔的だが、キャサリンに一途なところが良い。墓を暴くシーンや、キャサリンの娘に無関心なところが良い。
Q何故キャサリン(1代目)はエドガーと結婚したのか?またはエドガーは何故キャサリンと?
⇒性格的に自分にないものを持っていたので、そこに惹かれた。
Q何故キャサリン(2代目)はリントンを好きになったのか?
⇒ヘアトンとの2択だったから、他に男がいなかった。
Q何故ヒースクリフは復讐する気がなくなったのか?
⇒明確な答えはなし。ただし作中の「哀れな結末だよ」というヒースクリフのセリフに凝縮されているのではないか。
Q嵐が丘の主人は何故、ジプシーの子を拾ってきたのか?
⇒新しい血を入れるため。結果的に、アーンショ-家の財産はヒースクリフによって守られたから、先見の明があったのでは。
Qキャサリンとヒースクリフが結婚したら幸せになったか?
⇒幸せになる 3票 理由:ヒースクリフはいつでもキャサリンを一番に考えているから
 不幸せになる 5票 理由:似たもの同士だから合わない。キャサリンは気性が激しすぎて結婚に向かない。

その他、語り部のネリーについて、色々な意見が多かったです。

・ネリーが不気味で、いつも余計なことをする。実はヒンドリーが好きなのでは。
 (別の方は、いやヒースクリフが好きなのでは、という意見もあり)
・すべてがネリーの主観で語られているから、本当の所は不明。
・すでにネリーとロックウッドのキャサリンに対する描写が異なる。
・キャサリンとヒースクリフの抱擁のシーンをずっと見ていたくだりが不自然etc.

私は(あまり疑り深くないのか)語り部だからそんなもんかと読んでいましたが、
指摘されると、確かに!と思い、あらためて他者との意見交換って面白いと感じました。


最後に、登場人物の人気投票の結果です(12人中、複数挙手可)
キャサリン(1代目) 5人/理由:可愛いから
キャサリン(2代目) 6人/理由:可愛いから
ヒースクリフ 4人/理由:自己実現してるから
エドガー 1人
ヘアトン 7人/理由:キャサリンに一途で、最後に幸せになったから
リントン・イザベラ・ジョーゼフ・ネリー・リントン 0人

以上です。
有意義で楽しい時間を過ごすことができました。
(by S.K)
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古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
肩の力を抜いて、真面目な話でなくてかまいません。

まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
古典的名作だけに、読んで損をすることはないでしょう。

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