
第七回 読書会レポート


第7回読書会 @恵比寿 備屋珈琲店
海外フェアー第2弾♪
課題本『老人と海』 ヘミングウェイ
突き刺さるような寒さが少しだけ丸みを帯び、冬の優しさを垣間見れた週末。
いつもの気品溢れる珈琲店にて穏やかに集結したメンバー達。(計9名うち男性2名 女性7名)
千差万別な意見がうまく融和し、時間いっぱいたっぷりと語り合いました。
作品概要
キューバの老漁夫サンチャゴが長い不漁にもめげず、一人で出漁しカジキマグロ・サメと格闘。徹底した外面描写を用い大魚を相手に闘う老人の姿を描き、ノーベル文学賞受賞誘因となった一作。
まず作品を読んで…
☆起きている事は劇的なのに文は淡々としている、圧縮されて分かりにくい文、筋肉質で無駄がない、セリフとして映画を観ているような感じ
☆ひねくれた陰影がない、ちょっと出来過ぎて破綻している所がない
☆心が掻き乱されない、いや少年とのやり取りはうるっときた
☆老人はマイスターという感じで好感を持った
☆ヒューマンドラマのようだ、いやマグロと老人の「愛と死」をテーマとした恋愛小説だ
etc…
そして『ハードボイルド文学の原点』と言われるヘミングウェイについては…
・ハードボイルドは女々しい。
実はコンプレックスの塊
・女性を見下している(他作品に描かれる女性描写が醜悪)
・強く男らしさをアピールしているが、実は粘着性があり自信がない
etc…
その他「三島由紀夫との人生比較」・「カフカ作品との精神性の深みの違い」・「マンガ『沈黙の艦隊』との類似点」・「徹底された外面的描写よりギリシア神話との類似点」など話は多岐にわたり、ヒートアップ!
最終的にはアメリカ文学史論、アメリカ人論、ヨーロッパ文学との比較論に至るまで発展しました。
再度「老人と海」を読み返す際、また別のヘミングウェイ作品に触れる場合かつてない味わい深さを持った読み方ができそうです。
来月の課題本はラディゲ『肉体の悪魔』。
海外フェアーひとまず最終楽章だそうです。
また皆様と語り合える時間を心待ちにしております。
ありがとうございました。
(エデュさんによるレポートです)
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