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読書会レポート 2017年11月

~エンデ『はてしない物語』~

いじめっ子から逃れるために古本屋に逃げ込んだ主人公バスチアン、店主が読んでいた『はてしない物語』という名の本を盗み出し、大嫌いな学校の屋根裏部屋で読み始める。

物語はファンタ―ジエン国で展開する。鬼火が《ハウレの森》のたき火の傍に集った岩喰い族、夜魔、豆小人の三人組を見つける。全員エルフェンバイン(象牙)塔にいる女王幼心の君のもとへある報せを届けに行くところであることが判明する。その報せとは「虚無(Nichts)が広がっている。女王に助けてもらいたい」というもの。
塔に着くと、女王は重い病気で臥せていた。女王の死はすべての生き物の終末とファンタ―ジエン国の滅亡を意味している。女王の命令のもと、アトレーユという十歳の少年が探し出され、女王の病気を治す方法を探す旅に出される。太古の媼モーラから、女王の病気を治すには新しい名前が必要だと教えられる。そして南のお告げ所のウユララから名前をつけるのは「人の子」でないといけないと告げられる。バスチアンは自分がその「人の子」だと思い、「月の子(モンデンキント)」という名を思いつき、女王のために叫ぶ。そして女王は救われた。

バスチアンは女王を救ったお礼に何でも望みを叶えてもらえることになる。バスチアンは美しくなったり、強くなったり、鉄の意志を手に入れたり、次々と望みを叶えてもらうが、その度にもっていたもとの記憶を失っていく。しかし本当の望みである「愛すること」を見つけると、人間世界に戻ることができ、愛する父親のもとに帰ることができた。

<参加者感想>
・いろいろな名前がついた新たな登場人物が次から次へと出てきて面白いが、名前にこだわるのにはどんな理由があるのだろう。作者がシュタイナー教育を受けていたからか、本人の思想によるのか。
・主人公が使命をもっていて神聖なものを探しにいくというのは聖書のグラール(聖杯)探しが原型になっている。
・「灰色」がしょっちゅう出てくる。「不安」などの意味に使われている。
・「人の子」は聖書に用いられている語。「救い主」はキリスト、メシアのこと。よってキリスト教の物語。
・サイーデという悪役が出てきてようやくバスチアンが人間臭くなり、物語が面白くなった。
・お父さんのこころの叫び「助けてくれ!わたしを見捨てないでくれ!わたしを救い出せるのは君だけなんだ!」というセリフから泣けた。
・エンデはなんて想像力のたくましい人。これほどの大作が書けるなんて本当にすごい。

今回作品を選んだ者ですが、皆さんの感想を伺い、年齢に関わらず想像力の豊かな人、ファンタジーをそのまま受け入れられる人ほど感情移入でき楽しめる作品なのではないかと感じました。

(by M・Y)
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それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
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