第十回 読書会レポート

2012年5月13日(日) 16:00~
高田馬場「カフェ・ミヤマ」会議室にて
新緑の眩しい爽やかな晴天に恵まれ「母の日」でもある5月の休日、第10回読書会が開催されました。

今回のテーマは 夏目漱石『それから』
明治42年に朝日新聞に連載され、漱石初めての姦通をテーマとした作品。
定職に就かず、父からの援助で裕福な生活を送る主人公・長井代助。かつて愛しながらも、義侠心から友人・平岡常次郎に譲ってしまった平岡の妻・三千代。その三千代との再会により、ともに生きる決意をするまでを描く。

*多彩なメンバー10名(男性5名、女性5名)が集い、多岐に渡り熱いトークが繰り広げられました。

・夏目漱石は12年しか文筆業に従事せず、この作品は「吾輩は猫である」、「坊っちゃん」~の内容と比較して自由闊逹な明るさユーモアが感じられず、全体的に重苦しい文体だ。

・この時代 高等遊民と呼ばれ遊んで暮らすのも有りとされていた(労働が美徳ではないと見なす風潮があった)

・代助に共感できる~特に目標もなく与えられた境遇の中で自由気ままに生活するさまなど。

・逆に代助に共感できない~自分を肯定するように理屈ばかりで、責任から逃れている。社会に出て働くべきだ。現実の厳しさを知らなさ過ぎる。

・姦通をテーマとしている割りには、描写が淡々とし過ぎ期待するようなドロドロ感がなく ちょっとガッカリした。

・漱石自身、神経症であったことが 代助にも投影されているのではないか。

・登場人物で誰に一番好感を抱いたか~梅子(嫂)と言う声が多し。梅子はこの時代には珍しく 進歩的で捌けており、現代人としても通用する。

・正直あまり感情移入できなかった。

・代助のやっていることが中途半端で、読んでいて苛立つ。

・三千代は はかなげな外見とは違って、代助より覚悟ができている。

・平岡は本当に約束通り、三千代を代助に渡すのだろうか。

・結末は結局 悲劇的な展開しか望めないのではないか。

・この時代 姦通は罪として罰せられた~など、など。

更には 「夜這いの文化」、「国による恋愛観の相違(フランス、ドイツ)」、「不倫、純愛の定義とは」~不倫=純愛であって、結婚こそ不純ではないのか… 究極の愛は死に至ることではないか―へと発展し、白熱した意見が交わされました。

単なるレポートでは言い尽くせぬほど、知的で奥深い2時間の読書トークでした!
ご参加の皆様、ありがとうございました。

名残惜しさと心地よい余韻を胸に…

次回 又 皆様と語り合える時を楽しみにしております♪

次回は6/3(日)です。

(by ラヴィアン・ローズ)
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東京読書会

Author:東京読書会
古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
肩の力を抜いて、真面目な話でなくてかまいません。

まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
古典的名作だけに、読んで損をすることはないでしょう。

参加される方の割合は、初めての方とリピーターの方が半々といったところです。

読書会の告知は、毎月下旬頃(読書会の45日ほど前)から始めます。

★「FRaU」(講談社)、『TOKYO BOOK SCENE』(玄光社)、NHK「ラジオ深夜便」、東京ウォーカー(KADOKAWA)で東京読書会が取り上げられました!


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