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読書会レポート 2019年4月

~『オー・ヘンリー傑作選』~

今回の課題は、短篇の名手として名高いオー・ヘンリーの272作品の中から20篇をまとめた「オー・ヘンリー傑作選」でした。

この中の「賢者の贈りもの」と「最後の一葉」は教科書などで読んだことがあり、内容も知っているというかたがほとんどでした。
ただし「内容を若干間違えて記憶していた」というかたもいらっしゃいました。

全作品を通して、警察のお世話になる人はいるものの、ひどい悪人はひとりも出てこない、そこがほのぼのしていて良かった。
また、書かれたのが1900年代初頭で、アメリカに勢いがある元気な時期だからか、貧しい庶民の話でも豊かな感じがする。
最近読んだ小説のように、登場する若者が殺伐としてすさんでいる感じがまったくなくて良かった。
訳者の力量もあるのか、どの話も古臭くない。
お金がからんだ話が多い。お金のことが細かく書かれているのは著者がお金持ちか、お金に苦労しているかどちらかなんだろう。
(オー・ヘンリーは貧乏だったと知り、納得されていました)
どの話も意外な終わり方をするパターンが似ているからか、読み進むうちにだんだん飽きてきた。
20篇の中には読み終えて「ん?これはどういうこと?」と意味がわからないものがあった。2度目に読んで「ああ、なるほど」と
思うものもあれば、結局わからないものもあった。

案外読み飛ばしていて内容を把握し損ねているのかも、というかたもいらっしゃいました。私もそうでした。
ただ、訳者がある程度補足して書かないと話のオチがわかりにくい作品もあったように思う。
道徳的な話にしようとして、あえて道徳的なことを付け加えている作品もある。
「最後の一葉」だけは内容がどうしようもなく重かった。人が死ぬのは好きじゃないのでこういうのは苦手。

など、様々な感想が聞かれました。

20篇もあると、あまり印象に残らなかった作品と、おもしろくて気に入ったものが人それぞれ出てきます。
「私はこれが好きだった」「この作品も良かった」とみんなで語り合えて、楽しい時間が持てました。

オー・ヘンリーは47歳で亡くなったので長生きはしませんでしたが、のりにのっていた頃はこのような短篇を1年で66作品も
書きました。
大半が10ページ前後の短い話の中に必ず意外な結末が着地点にある魅力的な作品を次々と生み出したことは驚異的です。

今回はそんな傑作選を読むことができ、さらにみなさんと読後感を共有することができ、良かったです。
充実した2時間でした。

(by M.Ozawa)
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