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読書会レポート 2019年8月

 ~夏目漱石『三四郎』~

 熊本の田舎から上京した大学生・三四郎が、美禰子や与次郎といった都会人に翻弄されながら生きていく姿を描いた、漱石の新聞連載小説です。

 会では、こんな言葉が交わされました。

「ものすごく久しぶりに読みました。実は、高校生の時にこの作品を読んで、密かに東京に憧れて、大学のときに本当に上京しちゃったんですよ」
「今でいうとライトノベルという感じかな。文章が軽やかですよね」

「美禰子という人物像がよくわからない。三四郎を翻弄するようにふるまって、結局、違う男と結婚しちゃうんですよね。そもそも美禰子は三四郎が好きだったんですかね?」
「好きなようにも取れるけど、何を考えているかよくわからない女性ですよね。まわりの男すべてに気のあるふりをしてるんですよね……」
「漱石の描く女性って、こういう不可解で神秘的な人が多いんですよ」
「男を振り回す自分に酔っている感じですね。私も女性だけど、こんな女性とはお友達になりたくないなあ」
「いえ、私は美禰子のことがよくわかりますよ。自分の意志を持った新しい女性ですよね。いろんなことを試してみて、あまりうまくいってないけど、その姿を漱石は優しく描いていると思う」
「田舎から出てきた三四郎にしたら、レベルの高すぎる女性。三四郎がかわいそうですよ」
「といっても、三四郎は二十三歳のわりには、精神年齢高いですよねえ。さすがに今の学生とは違うんですね」

「美禰子の話が多いですね。私はむしろ与次郎が好きだなあ」
「そうそう。やたらと口がうまくて、おしゃべりで、あっちこっちかき回しては事態を大事にするいたずら者。でも笑えるし面白いですよね」
「あと、広田先生がいい。万年高校教師で、教養はあるけど不器用で、出世欲がまるでなく、淡々と生きていく仙人のような人。憎めないですよね」

 私としては、すでに百回くらいは読んだ小説なのですが、改めて読み返してみて、読み逃していたところも多かったことがわかりました。
 そのことだけでも、今回の読書会は収穫でした。

(by Das Wandern)
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Author:東京読書会
古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
古典的名作だけに、読んで損をすることはないでしょう。

参加される方の割合は、初めての方とリピーターの方が半々といったところです。

★「FRaU」(講談社)、『TOKYO BOOK SCENE』(玄光社)、NHK「ラジオ深夜便」、東京ウォーカー(KADOKAWA)で東京読書会が取り上げられました!


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