第11回 読書会レポート

6月3日に行われた読書会の課題本は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」でした。

貧しい少年ジョバンニが親友カンパネルラとともに銀河鉄道に乗って旅をする幻想的なお話です。

宮沢賢治の代表作ともいわれる「銀河鉄道の夜」ですが、これまでに読んだことがある人は意外に少なく、参加者十二人中、三分の一ほどでした。

今回読んでみての感想もさまざまでした。

・キリスト教的、また仏教的といった宗教色が豊かであること、そのためか乗客が降りる場所が違っているのが興味深かった。

・物語の中では自己犠牲の精神を推奨するようなことが書かれているが、気概や志にも時代の違いがあるのか、いま現実にこういう人が身近にいたらうっとうしいに違いない。
・銀河鉄道は死者しか乗れない列車ということで、となりのトトロのねこバスとかぶるところがあった。

・登場人物の中ではジョバンニだけが嫉妬したり人間らしい気がした。

・賢治自身、病気で終末へ向かう自分をジョバンニの孤独や悲しさに重ねて書いたのではないだろうか。

・読むうちに悲しい結末を予測したけれど、最後までカンパネルラの遺体はあがらないし、「希望」が残されているように思った。
・作品中に数多く登場する三角標(実際には測量で使われるやぐら)は何を意味するのだろうか、の問いに「お墓」「キリスト教の三位一体の意味ではないか」という意見が出ました。

・船の沈没で二人の子供とともに亡くなった家庭教師の青年が「人を押しのけてせめて子供たちだけでも助けるべきか」それとも「このまま神様の元へ行くのが幸せか」迷うところが印象的でした。そして賢治のように裕福で恵まれていたからこそできた作品だと思う。

・中学の時に読んだことがあるが今回読み返してみて印象は同じだった。きれいなところできれいなものを見るという、気持ちの良い内容。また主人公ジョバンニは恵まれないが最後にはお父さんも帰ってくるようだし救いがある。

・死はこわくない、死ぬことはつらくないというメッセージがこめられている。

・そして川でおぼれたカンパネラの父(教授)の態度が不自然と感じた人が多数いました。息子が命を落としたかもしれないのにあまりに淡々としている。もしかしたらカンパネラは教授の実子ではなく、母親の不貞による子供なのでは?という説も出ていました。

と、このようにそれぞれの銀河鉄道談義に花が咲いた二時間でした。

この日は女性誌「FRaU」の取材も入りました。7月発売の号で当読書会が紹介されるそうです。

また来月の読書会は7月1日。三島由紀夫の「金閣寺」です。
(by リリカルリリー)
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Author:東京読書会
古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
肩の力を抜いて、真面目な話でなくてかまいません。

まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
古典的名作だけに、読んで損をすることはないでしょう。

参加される方の割合は、初めての方とリピーターの方が半々といったところです。

読書会の告知は、毎月下旬頃(読書会の45日ほど前)から始めます。

★「FRaU」(講談社)、『TOKYO BOOK SCENE』(玄光社)、NHK「ラジオ深夜便」、東京ウォーカー(KADOKAWA)で東京読書会が取り上げられました!


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