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読書会レポート 2019年11月

~ヘミングウェイ『老人と海』~

今回の読書会では、アーネスト・ヘミングウェイ作『老人と海』を紹介させていただきました。

 『老人と海』という作品について、「題名は聞いたことがあるけど、まだ読んだことはない」という方はけっこういるのではないでしょうか。そんな方のために、少しだけ内容を説明します。

キューバのとある貧しい漁村に、漁師として暮らしている老人がいます。妻に先立たれ、身寄りのない老人ですが、彼には漁師仲間であるひとりの少年がいます。少年は老人のことをいつも気にかけ、ときに身の回りの世話などをしてくれます。少年はかつて老人と一緒に漁に出ていたのですが、長い間不漁が続き、父親から老人と漁に出ることを禁止されています。
 老人はある日、いつものように、夜明け前の暗がりの中を、ゆっくりと船をこぎだします。そしてついに、彼の人生で見たこともないような大物と対偶するのですが…。

 この作品では、老人の孤独な闘いが力強くドライに描かれています。しかし、この作品にあるのは孤独や厳しさだけではありません。少年の老人に対する思いやり、そしてなにより、海とそこに住む生き物たちに対する、老人の深い愛情と尊敬の念を、ヘミングウェイは優しく描いています。

 読書会では、漁業が盛んなところで育ったため、とても感情移入できたという方や、なぜ老人は大物だけを狙うのか理解できないという方など、様々な意見を持った方がいました。

 『老人と海』は私にとって、とても大切な作品なのですが、読書会を通じて初めて作品を知っていただいた方や、読んだことのある方でも、新しい発見ができたという方がいたならば、今回の読書会はとても意味のあるものになったと思います。

By (N.M)
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それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
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