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第12回 読書会レポート

今回の課題本は、三島由紀夫「金閣寺」でした。
主人公の溝口という僧侶が、金閣寺を燃やしてしまうまでのお話です。

今回の作品については、多様な感想が挙げられました。特に、以下3点につき、話題が広がりました。
1.金閣寺を燃やした事について
2.主人公の友人「柏木」の人物について
3.「鶴川」の人物像について

1.金閣寺を燃やした事について
 ・自分の意にそわない現実を破壊する傾向があるのではないか。
 ・金閣寺を燃やすことで自分を克服し、勝利した。
 ・幻想を壊すことでやっと地に足のついた人生へと向かっていけるのではないか。
 ・破滅的な方へいくのかと思いきや、生きるという結論に至ったことが、意外。
 ・結果をして、パッピーエンド。爽やかな気持ちで読み終えた。

2.「柏木」という人物について
 ・もし、実際にそういう人物が存在しても、交際はしない。
 ・作品の中では、モテているのは、良い人で終わらない毒をもっているからではないか。
 ・「柏木」の持つ悪に女性は惹かれる。
 ・いつも周りからチヤホヤされている女性は、冷たくされることに新鮮さを感じるのではないか。

3.「鶴川」について
 ・失恋くらいで、自殺しなくてもいいのではないか。
 ・明るいけど、一方、暗い面もある。

この3つの話題の他にも、
・禅海和尚に好感が持てる。
・岐路に立った時、相談できる父親らしい人がいなかった。
・女性との行為に2度も失敗したのに最後は成功したのはなぜか。

など、本当に多様な感想が挙げられた2時間でした。

次回は8月5日(日)、テーマは有島武郎『生まれ出づる悩み』です。
(by ひまわり)
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Author:東京読書会
古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
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