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読書会レポート 2020年7月

~林芙美子「放浪記」~

今回の読書会ではじめて「放浪記」を読んだという参加者がほとんどでした。
多くの女性が読んだであろう昭和初期の人気作品。

林芙美子作品ファンの方いわく、
好きになる人はなぜかダメな男ばかり…(反対に言えば、あの人いい人なのに…という男性には惹かれない)
という放浪記の主人公は今の若い人にも十分通じるキャラクターである。
主人公のような人と、友達になってみたいなという人も。

恋愛
困窮する生活
度重なる転職
両親、友人とのかかわりなど、話がいろいろな方面に及んだ。

自分自身をさらけ出したような小説は
「彼女の渇望感、普通に満たされない心の空洞のようなものが原動力となって」書かれたように感じる。

「恵まれない境遇から、数年文学の勉強をし、これだけの作品がかける才能はすごい」
作品に垣間見える彼女の文学的教養は「欲」ではないか。

リア充がもてはやされる現代と真逆な、「どん底」感。
お金に苦労している私小説が流行していた背景もあるらしい。

生活に疲れて落ち込む描写も多いのに、弾むような文体とバイタリティー感も満載でおもしろいと感じた人が多かったようだ。

恋愛と並行してよく登場する「食べ物」の話になると、読書会の場が和んだ。
牛鍋、ウナギは高価だったのか、バナナ、庶民は秋刀魚…
とにかく肉がよく出てくる。
肉がそんなに食べたいのか、若かったらやっぱり肉だろうな。
林芙美子の代表作「浮雲」には、原稿料が入ったらすぐに寿司を食べるという描写があるそうで
ぜひ、そちらも読んでみたい。

文章中の「~なり。」の表現にちょっと違和感を感じるというコメントに、大爆笑!
本当に面白くて久しぶりに笑い泣きしました。ありがとう!
楽しかったなり。


「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」 林芙美子が好んで色紙に書いたものだが、出典は不明 

引用:国立国会図書館レファレンス事例
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000052572

(by MO)
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古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
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