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読書会レポート 2020年12月

~シェイクスピア『リア王』~

シェイクスピア最大の悲劇と言われるだけあって、不条理かつ壮絶な物語だったと思います。
会で話されたのは次のようなことでした。

「最後に善良なコーディーリアさえ死んでしまいますよね。ここを読んだときは絶句しました。あのコーディーリアさえ……」
→本当に救いがない劇だよね。善人もかまわず滅びていくという……
→次から次へと人が死んでいくから、唖然としました。
→勧善懲悪ではないんだよね。悪人が滅びて善人が救われるという話ではなくて、善人もまた容赦なく運命の渦の中に呑み込まれていくという……
→悪人が滅びていってスキっとするという、カタルシスがありませんね。
→でもそれが現実ではないかな。本当に勧善懲悪の世界があるなら、それはそれで問題があるというか。単純な勧善懲悪の型に落とし込まないところが、この悲劇のすごいところだと思う。

「リア王の三人の娘がいがみ合うという物語ですよね。私も三人姉妹の一人だけど、やはりいろいろ面倒なことがありますよ」
→女三人が集まるとややこしいのかな。
→そういえば、女三人組の某アイドルグループも、一人だけ疎外されているらしいよ。
→本当?

「エドマンドがすごく悪役として描かれていますね。でも、彼は幼いころから妾の子だとして虐げられていたから、性格が歪んでしまったのかもしれない」
→ある意味かわいそうだよね。やっていることは悪辣非道なんだけど、憎み切れないところがある。単純な悪人ではないんだよね。

「道化が面白い。阿呆なふりをしていて、実はすごく頭がいいんだよね。現実にヨーロッパの宮廷には、こういう好き勝手にものを言うことが許される道化が雇われていたらしい」
→そう思う。馬鹿なことを言っているようで、実はすごく辛辣に真実を突いている。
→この道化は、狂ったリア王の別の側面を象徴しているのではないか。

私としても、道化の言動が面白かったです。
中でも、「なぜ七つ星は七つしかないか、それは八つは無いからだ」というセリフがまったくのナンセンスで、美しく、感動しました。

(by Das Wandern)
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古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
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