
読書会レポート 2021年2月

~『カフカ寓話集』~
この本は、長らく私の本棚で眠りについていたのですが、一向に読まれる気配がなかったため、今回の読書会のテーマとして出品して読んでみようと考えたわけです。
基本的にこの本は短編集で、わずか一ページにも満たない作品もいくつかあります。
みなさんの声を聞いてみると、「ポセイドン」という三ページしかない短編が一番人気でした。海の神ポセイドンが主人公なのですが、ポセイドンは「戦車を駆けって海を巡察している」というイメージとは裏腹に、まるで公務員のように海底に座ってひたすら計算をするだけ、というものでした。
なんだか、実際に公務員だったカフカの姿が裏写りするような作品です。
会では、こんなことが話し合われました。
「なんだか、尻切れトンボの作品も多いですね。落ちも何もないという……」
「未発表の作品も多いからね。おそらくカフカ自身が、これらの作品を世に発表するつもりはなかったんでしょう」
「私は個人的に、作品の深読みはしないようにしているんだけど、カフカの作品は思わず深読みしてしまいますよね。あまりにも不可解で、意味も何もわからない作品が多いから」
「そうだね。僕は『貂』(てん)という作品が好き。ユダヤ教会になぜか貂が住みついていて、その理由がわからない。みんなはできたら追い出したがっているが、どうやって追い出したらいいのか、方法がわからない。ただし、今のところ貂が目立った悪さをするわけでもない……という」
「この貂は何の象徴なのだろう。いや、何も象徴していないのだろうか」
「意味不明なので、どうしても解釈する誘惑から逃れられなくなるんですよね」
「『巣穴』がよかった。この本の中では一番長く、ものすごく単調で退屈なんだけど、すごく引き込まれるんだよね」
「『断食芸人』が面白かった。断食しているところをみんなに見せる芸人の話」
「シュールな話だけど、こういう芸人は実際にいたと聞いて驚きましたよ」
謎の多い作品群なので、話すネタもいつまでも尽きない模様でした。
(by Das Wandern)
この本は、長らく私の本棚で眠りについていたのですが、一向に読まれる気配がなかったため、今回の読書会のテーマとして出品して読んでみようと考えたわけです。
基本的にこの本は短編集で、わずか一ページにも満たない作品もいくつかあります。
みなさんの声を聞いてみると、「ポセイドン」という三ページしかない短編が一番人気でした。海の神ポセイドンが主人公なのですが、ポセイドンは「戦車を駆けって海を巡察している」というイメージとは裏腹に、まるで公務員のように海底に座ってひたすら計算をするだけ、というものでした。
なんだか、実際に公務員だったカフカの姿が裏写りするような作品です。
会では、こんなことが話し合われました。
「なんだか、尻切れトンボの作品も多いですね。落ちも何もないという……」
「未発表の作品も多いからね。おそらくカフカ自身が、これらの作品を世に発表するつもりはなかったんでしょう」
「私は個人的に、作品の深読みはしないようにしているんだけど、カフカの作品は思わず深読みしてしまいますよね。あまりにも不可解で、意味も何もわからない作品が多いから」
「そうだね。僕は『貂』(てん)という作品が好き。ユダヤ教会になぜか貂が住みついていて、その理由がわからない。みんなはできたら追い出したがっているが、どうやって追い出したらいいのか、方法がわからない。ただし、今のところ貂が目立った悪さをするわけでもない……という」
「この貂は何の象徴なのだろう。いや、何も象徴していないのだろうか」
「意味不明なので、どうしても解釈する誘惑から逃れられなくなるんですよね」
「『巣穴』がよかった。この本の中では一番長く、ものすごく単調で退屈なんだけど、すごく引き込まれるんだよね」
「『断食芸人』が面白かった。断食しているところをみんなに見せる芸人の話」
「シュールな話だけど、こういう芸人は実際にいたと聞いて驚きましたよ」
謎の多い作品群なので、話すネタもいつまでも尽きない模様でした。
(by Das Wandern)
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