
読書会レポート 2021年10月

~スティーヴンソン『宝島』~
少年ジムが、海賊が残した地図を頼りに、島へ宝を探しに行く冒険物語。
有名な小説ですが、子供向きに書き直された物が多く流布しているので、原作を読んだ人は意外に少ないのではないでしょうか。
なお、私たちは「海賊」と言うと、すぐさま手や脚が一本以上なく、おしゃべりなオウムを飼い、骸骨の旗を船に翻して航行する荒くれ男を想像しますが、そのステレオタイプな肖像は、この作品に出てくるシルヴァーという人物から生まれたもののようです。
シルヴァーはこの作品のキーパーソンなのですが、「そんなに魅力的な人物だろうか」という疑問の声も上がりました。片脚のない海賊で、とても頭がよく絵になる男なのですが、とにかく卑劣で、平気で味方を裏切り、裏切った後にまた味方につけようとする、厚顔無恥なところがあるからです。
この作品のテーマは、「友情と裏切り」だと思いました。
登場人物の多くは、互いを信じておらず、平気で裏切りを犯す。ただ、「宝を掘り当てて無事に国に帰る」という唯一の目的のもとに、互いに手を握り、手を握りながらも裏切り続けるからです。
そういう意味では、甘い感傷のないハードボイルドな世界だと思いました。
(by The russian roulette )
少年ジムが、海賊が残した地図を頼りに、島へ宝を探しに行く冒険物語。
有名な小説ですが、子供向きに書き直された物が多く流布しているので、原作を読んだ人は意外に少ないのではないでしょうか。
なお、私たちは「海賊」と言うと、すぐさま手や脚が一本以上なく、おしゃべりなオウムを飼い、骸骨の旗を船に翻して航行する荒くれ男を想像しますが、そのステレオタイプな肖像は、この作品に出てくるシルヴァーという人物から生まれたもののようです。
シルヴァーはこの作品のキーパーソンなのですが、「そんなに魅力的な人物だろうか」という疑問の声も上がりました。片脚のない海賊で、とても頭がよく絵になる男なのですが、とにかく卑劣で、平気で味方を裏切り、裏切った後にまた味方につけようとする、厚顔無恥なところがあるからです。
この作品のテーマは、「友情と裏切り」だと思いました。
登場人物の多くは、互いを信じておらず、平気で裏切りを犯す。ただ、「宝を掘り当てて無事に国に帰る」という唯一の目的のもとに、互いに手を握り、手を握りながらも裏切り続けるからです。
そういう意味では、甘い感傷のないハードボイルドな世界だと思いました。
(by The russian roulette )
スポンサーサイト