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読書会レポート 2021年11月

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~シェイクスピア『オセロー』~

ほぼ一年半ぶりの、現実世界での読書会でした。
会で話されたのは、次のようなことでした。

★オセローはムーア人の黒人という設定ですよね。有名なゲームの「オセロ」もここから来たらしい。
 →やはりところどころに、黒人に対する偏見が垣間見れますね。
 →確かに。でも、だからこの作品を消滅させていいのかと言えば、そんなことはないと思う。そういうことをやっていると、ほとんどすべての芸術作品はせいぜい十年で消滅してしまうんじゃないかな。

★出世争いの物語でもありますね。私も最近出世争いに巻き込まれたので、身につまされました。

★オセローはなぜこんなに簡単にイアーゴーに騙されるの?
 →オセローは自分で言っているように、「愛することを知らずして愛しすぎた男」だよね。恋愛経験がほぼないから、嫉妬の炎を押し殺すことができなかったのでは。
 →イアーゴーが天才的な詐欺師だから。彼がオセローの嫉妬心や疑念を煽る手法は見事ですよ。
→でも最後に、イアーゴーの悪事がすべて暴露されてしまうのは不思議ですね。


 私は、「私が犯した罪は、あなたを愛したことだけ」や「嫉妬はまなじりを緑の炎で燃えあがらせた怪獣だ」といった箇所が美しいと思いました。
 やはりシェイクスピアは、人間の心理の奥の奥まで知り尽くしていたんだなと感心しました。

(by Der Wanderer)
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古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
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