
読書会レポート 2021年12月

~アンデルセン『絵のない絵本』~
私はこの本を何年も前に買っていたのですが、それ以上手に触れることもなく、そのまま本箱の奥で眠りについていました。
これでは本に対しても申し訳ないので、読書会ということにかこつけて、本棚から引きずり出して読んでみようと思いました。
会で話されたことを、断片的に並べてみます。
・まさに全体的に「絵のない絵本」という感じですね。描写が視覚的で詩的。物語としては起承転結があいまいです。
・第十六夜の、醜い喜劇役者の男が美しい女優に恋をする話が一番よかった。男は女に一方的に恋をするけど、女の方は気づきもしない。男も告白する勇気もなく、それをギャグに変えてしまう。切ないですね。
→この話が、この本の中で一番完成度が高いと思う。
・子供、とくに小さな女の子がよく出てきますが、これは作者の趣味なのかな?
→優しくて弱いものに対する共感があったんだろうね。
・月が画家に物語を語る、という体裁ですよね。「私は月と目があった」といった描写が面白い。
・編集者と詩人を描いた話が面白かった。
→「平凡だが周囲からは認められている詩人」と「天才だが周囲との軋轢がある詩人」の二人が出てきますよね。いったいどちらが幸せなんだろうね。
短くて非常に素直な物語の数々なので、話すことが大してなのではないかと思っていましたが、実際にはいろいろな意見や感情が現れ、とても豊かな会になったと思います。
(by Der Wanderer)
私はこの本を何年も前に買っていたのですが、それ以上手に触れることもなく、そのまま本箱の奥で眠りについていました。
これでは本に対しても申し訳ないので、読書会ということにかこつけて、本棚から引きずり出して読んでみようと思いました。
会で話されたことを、断片的に並べてみます。
・まさに全体的に「絵のない絵本」という感じですね。描写が視覚的で詩的。物語としては起承転結があいまいです。
・第十六夜の、醜い喜劇役者の男が美しい女優に恋をする話が一番よかった。男は女に一方的に恋をするけど、女の方は気づきもしない。男も告白する勇気もなく、それをギャグに変えてしまう。切ないですね。
→この話が、この本の中で一番完成度が高いと思う。
・子供、とくに小さな女の子がよく出てきますが、これは作者の趣味なのかな?
→優しくて弱いものに対する共感があったんだろうね。
・月が画家に物語を語る、という体裁ですよね。「私は月と目があった」といった描写が面白い。
・編集者と詩人を描いた話が面白かった。
→「平凡だが周囲からは認められている詩人」と「天才だが周囲との軋轢がある詩人」の二人が出てきますよね。いったいどちらが幸せなんだろうね。
短くて非常に素直な物語の数々なので、話すことが大してなのではないかと思っていましたが、実際にはいろいろな意見や感情が現れ、とても豊かな会になったと思います。
(by Der Wanderer)
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