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読書会レポート 2022年3月

~カポーティ『ティファニーで朝食を』~

 オードリー・ヘップバーンの主演で映画化された有名な中編小説です。
 
「あの映画では、冒頭でオードリーが、ティファニーの前の道ばたでパンを立ったまま食べるシーンが強烈だったな」
「実は、最初はマリリン・モンローにオファーが出されたらしい。でも断られたので、オードリーに回ってきたとか。この映画はオードリーのイメージが鮮烈だけど、カポーティーはミスキャストだと思っていたみたいですよ」

「『いつの日か目覚めて、ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、この自分のままでいたいの』というヒロインのホリーの台詞があるよね。これはどういう意味なんだろう」
「もちろんティファニーはホテルでもレストランでもないよね」
「ティファニーにお得意様として泊まって、朝ごはんを食べれるような身分になっても、という意味なのかな」

「ホリーは若くて美しくて、周りを振り回すけど、ホリーとお近づきになりたい人はいる?」
「はい、なりたいです。作中でもホリーはみんなから持てはやされていますよね」
「はたから見ている分には楽しいよね。でも実際に振り回されてみたら、疲れると思うよ」

「全体的に、喪失感の漂う、どこか虚しく悲しい小説だと思いました」
「故郷を喪失した人々の物語というか。やはりアメリカは移民の国なんですね」

「ところどころ、気の利いた台詞が出てくるのがいいね」
「そうそう。私は『あの子は頭が飛んじまっているし、まやかしだ。でもな、本物のまやかしなんだよ』という一節がよかったです」

(by Der Wanderer)
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古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
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