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読書会レポート 2022年5月

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~サン=テグジュペリ『人間の土地』~

『星の王子様』の著者でパイロットであるサン=テグジュペリが、自らの危険な飛行体験について語った本です。

 著者は、郵便飛行機を運転していて、何度も砂漠に不時着したりして命の危機に晒されています。結局、彼は第二次大戦中に偵察機の飛行中に、敵機に銃撃されて命を落としています。
 なぜ、彼らは命の危険を知りつつも危険な飛行に身を委ねたのか。
 
 いろいろな意見が出ました。
「命を軽く考えていた」
「未知のものを切りひらく快感があったのでは」
「誰かに郵便物を届けるという使命感があった」
「命を危険に晒すことによって、逆に生きているという実感が得られたからでは」
 ――といった意見が、参加者の方々から出ました。

 また、作品中にバークという奴隷が出てきます。
 彼はサン=テグジュペリたちからお金をもらって奴隷から解放されたのですが、そのとたん、街で出会った子供たちにお菓子をあげるために、全財産を使い果たしてしまいます。
 なぜこんなことをしたのでしょうか。
 これについては、
「いきなり自由になったので、自由の使い方がわからなかったのでは」
「自分が子供たちに必要とされていることが嬉しいんだろう」
「公園でハトに餌をあげると嬉しくなる、そんな感覚かな。気持ちはわかる」
 ――といった意見が聞かれました。

 砂漠での極限状態を描いた、ものすごい作品だと思いました。みなさんの多彩な意見が聞けて良かったです。

(by auf der Reise)
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Author:東京読書会
古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
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