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読書会レポート 2022年8月

~フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』~

・参加者:9 名
・ 場所:コロナ禍の情勢を鑑み、オンライン上で開催

17 歳の少女セシルは南仏で父レイモンとその愛人エルザの 3 人でバカンスを過ごす。
現地で恋人シリルを得たセシルは幸福に過ごしていたが、父の知り合いであるアンヌ の合流をきっかけに、 人間関係が崩れ始める。父が再婚を考えていると知ったセシルは、葛藤しながらも、とある計画を実行していく。

私はこの物語を、 思春期の少女が精神的に成長し大人になる 過程を描いたものだと捉え
ていますが、 今回様々な意見を受け、 作品に対する 認識が深まったと感じています。

話題に出た疑問や考えをざっくり 下記にまとめます。

・ 対照的な主人公セシル・父レイモン・愛人エルザの生活とアンヌ の人格
・ 始まりと終わりで主人公セシルと恋人シリルの関係が変化している 点(私も 発言者と 同じ意見です)
・タイトルである『悲しみよ こんにちは』の「悲しみ」とは何か?
・ラスト近くで主人公セシルが取った行動に関しての動機と 心情
・当時の社会情勢・文化的背景

また、 個人的に気になった話はこちらです。

・タイトルの『悲しみよ こんにちは』のオマージュとして『憎しみよ こんにちは』と男
性視点でアレンジし、展開した考察
・作中で父レイモン(作中おなかの出たおじさんと描写あり )が着用していた「水玉のガウン」というファッションについての疑問→その後草間彌生への連想に発展

ユニークかつ遊び心にあふれた着眼点が楽しいです。

読書会には色々な人が参加します。テーマとなる共通の本を読み、対話を重ねることは、
普段の生活では会えない多彩な考え方に触れる 貴重な機会だと思っていました。
皆さ ん、 お疲れさまでした。

(by y )
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東京読書会

Author:東京読書会
古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
肩の力を抜いて、真面目な話でなくてかまいません。

まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
古典的名作だけに、読んで損をすることはないでしょう。

参加される方の割合は、初めての方とリピーターの方が半々といったところです。

★「FRaU」(講談社)、『TOKYO BOOK SCENE』(玄光社)、NHK「ラジオ深夜便」、東京ウォーカー(KADOKAWA)で東京読書会が取り上げられました!


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