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読書会レポート 2022年11月

~ディック『トータル・リコール』~

うららかな昼下がり、飯田橋にて読書会が開催されました。
この本はSF作家のフィリップ・ディックの短編集で、この中から「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」の二つが映画化されています。

会で話された中で、印象に残ったのは次のような話でした。

■「トータル・リコール」について。
 
→人間の記憶はあいまいなもの。

→マンデラ・エフェクトという言葉があって、たとえばファンタ・ゴールデンアップルという飲物を、「昔この目で見た」「実際に飲んだ」と言う人々が大勢いる。
 実はファンタ・ゴールデンアップルって実在しなかったんだよね。

■これらの作品が書かれたのが1950年頃。21世紀以降のことを書いているのに、いまだにデータをプリントアウトしていたり、カセットテープを使っていたりして面白い。
 
 →レトロな未来なんだよね。

■「吊るされたよそ者」がゾッとするほど怖くてよかった。ラストで物語のはじめに帰ってしまうのも面白い。

■「マイノリティー・リポート」は面白いけど、複雑でよくわからなかった。

→予言者が三人いて、それぞれ予言を出す。その予言を読んだ者が、予言に反した行動をとって、未来を変えてしまうという話だよね。

→予言のパラドックスを描いていると思う。

 思わず時間が超過してしまいそうになるほど、多彩な話が出たと思います。
 もう少し話したかった……

(by Der Wanderer)


 
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Author:東京読書会
古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
肩の力を抜いて、真面目な話でなくてかまいません。

まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
古典的名作だけに、読んで損をすることはないでしょう。

参加される方の割合は、初めての方とリピーターの方が半々といったところです。

★「FRaU」(講談社)、『TOKYO BOOK SCENE』(玄光社)、NHK「ラジオ深夜便」、東京ウォーカー(KADOKAWA)で東京読書会が取り上げられました!


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