第14回 読書会レポート

9/2(日)、恋愛小説の古典的名作と謳われるツルゲーネフの「初恋」について、今回も様々な解釈や意見を交わすことが出来ました。この読書会には、読書好きであるだけでなく、雑多な知識を豊富に持っている方々が集うので、毎回楽しくお話しすることができます。

16歳の少年が、あまたの男性を虜にして翻弄する年上の女性に恋してしまう、しかも恋敵は父親という作品「初恋」について、皆さんからこのような感想が寄せられました。

・タイトルが内容とそぐわない。初恋という言葉から連想される純情な恋物語ではなく、不倫やドロドロした大人の世界が描かれている。

・ジナイーダは本当は悪女ではない。当時の社会を考えれば、没落貴族の令嬢が選択できる道は、それなりの資産を持った良い相手を見つける、つまり玉の輿に乗るしかない。

・物語の最後に貧しい老婆が苦しみながら死ぬ場面が出てくるが、物語にそぐわない。宗教的な戒めがあるのかもしれないが、ジナイーダの美しいイメージが損なわれている。

・これはSM小説だろうか? ジナイーダの取りまきの男たちはいたぶられて喜んでいる。これは、騎士道精神に基づいた宮廷愛、女性崇拝から来ている。自分よりも身分の高い女性に肉体関係を持たずに奉仕することに喜びを得ている。

・しかしウラジミール以外は皆、一時の遊びと心得ていて、本気で彼女をものにしようとは思っていない。

・「同年代の女性ならジナイーダの行動をどう思う?」「男性はジナイーダの取り巻きに入ってみたい?」……などという、参加者に対する問いかけ。

・16歳で初恋は遅い。今まで何をしていたのか?女性との接点がない環境にいたせいなのか?ウラジミールにもジナイーダにも友達が登場してこないが、それも環境のせいなのか内容上必要なかったのか?

ほかにも、世界観が谷崎潤一郎に似ている、アマゾンのレビューとは見解が異なる、などなど話は尽きませんでした。次回も皆さんと顔合わせするのが楽しみです。初めての方もお気軽にお越しください。

次回は10/14(日)、テーマはカフカの『変身』です。
(by 佐枝 真)
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古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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まず、メンバーで順番に、その月の課題作品を決めてもらいます。
それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
古典的名作だけに、読んで損をすることはないでしょう。

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