第25回 読書会レポート

今回のテーマは、フランソワーズ・サガンの「悲しみよ こんにちは」でした。

舞台は南仏の海辺の別荘。夏のバカンスにやってきた17歳のセシルと周りの大人達の恋愛模様、人間関係が描かれた作品です。


読書会ではまず、この作品がサガン18歳頃のものということから、

・18歳が書いたものとは思えない。驚愕だ。

・40代のアンヌの描写を18歳のサガンが何故こんなに上手くかけるのか!

といった、作者サガンに対する絶賛の声が多く聞かれました。


一方、作品の内容については・・・

・まったく共感できなかった。

・フランス人らしい開放的な内容でついていけない。

といった否定的(?)な意見が多かったようです。
この作品が「少女小説」と評されることについても触れ、

・お金持ちの美男美女しかでてこないところがまさしく、少女漫画的。

・非現実的。夏の海辺のリゾートといった設定自体ムカつく。

といった意見が寄せられる一方、そこがいい!という意見もありました。


登場人物に対しては、

◇セシル◆
・周りの大人たちを客観的にみる冷静さを持っている。大人たちを手のひらで転がしているよう。
・自分勝手。頭はいいが、後のことまで考えられない。
・同世代の男たちはバカにしているが、それは父親に対する恋愛的感情からか?

◆アンヌ◇
・「子供」だらけの中に現れる唯一の「大人」。
・普段は超然としているが、意外と感情的。男性や結婚といったものに夢をみている。
・知性のある女性だから感情にブレーキをかけるのが上手いはず。しかし、物語最後の衝動的な行動から、知性の限界を感じた。

◇◆その他の登場人物◇◆
・レイモンを始め、男性陣の内面については、ほとんど描かれていない。
・シリルのような都合のいい男は現実にはありえない。


読書会後半では、題名にもある「悲しみ」や物語の結末についても意見が交わされ、

・後味の悪い終わり方だ。

・セシルは本当に悲しんでいるのか?アンヌの死に対し、喪に服したのはわずか1ヶ月程度でその後の生活はアンヌの影響も全く感じられない。

・ある意味ハッピーエンドではないか。


読書会に参加して毎回感じることですが、作品の見方・捉え方は本当に人それぞれで、とても興味深いです。
また、本の読み方も人それぞれ。苦行の様に読んだり、難しい漢字に出会うことが楽しみ、という方も!

今回の読書会でも約20名の参加者の様々な感想が聞けて有意義な時間を過ごすことができました。


(by あやなつ)
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古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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それを読んで、毎月第一日曜日、東京近郊の喫茶店に集まり、感想を語りあいます。

古典的な名作というのは、名前は知っていても、実際に読んだことがない場合が多いので、これを機会に読んでみよう、というのが主旨です。
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