第26回 読書会レポート

今回の課題本は、マーク・トウェイン「ハックルベリーフィンの冒険」。
机を2つに分けて10人ほどで話し合い、いつもより1人1人が発言する回数が多かったように思います。

物語の舞台は、ミシシッピ川と川沿いの町々です。
トム・ソーヤと同じ町に住んでいたハックが、飲んだくれの親父に監禁され、
自分が死んだように見せかけカヌーで逃げ出すところから冒険がはじまります。

・霧のミシシッピ川の情景の描写がとてもいい。
・川を下っていく中で、様々な人間に 会っては分かれるという構成は、ロードームービーと似ている。
・筏というと小さいものを想像しがちだが、いくつもの筏をつなぎ、中央に小屋があるものなど、かなり大掛かりな筏もでてくる。
・冒頭の「警告」が気が利いている。 「この物語に~プロットを見つけようとする者は射殺されるであろう」


19世紀の作品のため、現代とは法律や人権に対する考え方が違うということも話題に上りました。

・リンチ・復讐・一族皆殺しなどが、当然と考えられていた。
・「コールタールをかけて羽をまぶすリンチ」が何度も出てくる。当時は一般的な方法だった?
・奴隷や、子供は、ちゃんとした人間として考えられていなかった。
 黒人が一人、死んだといっているのに、「それは運が よかった」
 「時には人間が怪我をすることだってある」からという会話をしていたりする。
・今とは違い、当時の社会では奴隷制度が正しい事で、奴隷を解放する=悪・罪という認識だった。
・ハックが、地獄を恐れているのに、ジムを助けるために「よし、それなら、オレは地獄へ行こう」と
 決意をする場面に感動した。


また、この冒険には、とても人気のあった前作の主人公、トム・ソーヤも途中から登場しています。
ハックとトムに対する感想は次のようなものでした。

・ハックルベリーは束縛を嫌う自由人。後家さんの家に一旦馴染んで来たにもかかわらず、
父親に浚われて暮らし始めると、やはり森の中の自由な暮らしの方がすてきで、
 「狂育」を受けるのは真っ平と考えるようになっている、
・ハックは、2人の詐欺師に散々迷惑をかけられたが、彼らがリンチにかけられそうになると急いで逃がしてやろうとしている。
 どんな悪党でも、酷い目に遭う所を見たくないという、優しい部分を持ってる気がする。
・自分もアウトサイダーだから、仲間意識もあったのかもしれない。

・トム・ソーヤが出てきてから、物語の雰囲気が違う。
・トムは、「本に書いてあること」を重視して、形式にこだわりジムをなかなか助けようとしない。
この場面はとてもじれったい。
・当時は字を読める人があまりおらず、「本に書いてあること」は正しいとされていた。
 そのため、本を読んでいるトムは発言力があり、ハックは従っている?


本文が「長くて読みきれなかった」という人がいた一方、マーク・トウェインの前作「トム・ソーヤの冒険」や、
マーク・トウェインの晩年の作まで読んできた方もいました。

・「トム・ソーヤの冒険」では、ハックは途轍もないアウトサイダー、町の嫌われ者の浮浪児として書かれている。
・「ハックルベリー・フィンの冒険」で比較的町の人たちが優しいのは、「トム・ソーヤの冒険」の最後で町の英雄になったから。
・「ハックルベリー・フィンの冒険」はコメディ色が強いが、晩年の 作はとてもシリアスで暗い。

一度読んだことのある「トム・ソーヤの冒険」も、久々に読み返したくなりました。

(by.asa)
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