第35回 読書会レポート

~フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』~

この小説は以前に読んだことがあったのだが(大学生の時だから、軽く10年以上前いや20年以上前だ)、その時とは印象は全然違っていました。前に読んだときはギャッツビーの出鱈目さに怒りを覚えたものですが、今回はギャッツビーの一途さにグッときました。だから、最後の悲劇を迎えた場面の悲しさは尾を引きました。

また、前回は「田舎者が資本主義の中で押しつぶされる」というところにばかり目が行っていましたが(たとえば、巨大な目玉の広告。本来、広告は見るもののはずなのに、広告に見られている感じがする、という皮肉)、今回あらためて読んでみて、洗練された都会人たる東部人と、鈍くさい田舎者の西部人という階級差別的な対比にも動かされました。都会に溶け込もうとして、結局つまはじきにされるギャッツビーの哀れさ。

狂言回しであるニックは、ギャッツビーを軽蔑しきっていると言っていながら、死んで誰からも見捨てられたギャッツビーの後始末をしたのは、ギャッツビーの中に自分自身を見たからだと思いました。

会では、「ニックはこの後どうなるか?」という話題が出ました。
ある方は「皮肉な見方しかできないニックは幸せになれない」と、
またある方は「大恐慌がありながら中西部で財を成すだろう」と述べておられました。

私は、きっとニックは東部の生活は自分には合わないとしみじみ感じて、農場でも持って静かな一生を終えるのではないか、などと想像しました。
皆さんはいかがでしょう??

今回は私が推薦させていただきました。
参加者の皆さんと実りある活発な議論をすることが出来て、心から感謝しております。
どうもありがとうございました。

(飛車岡)
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