第38回読書会レポート 

~「痴人の愛」(開催:2014年9月7日)~

「自分達は世界に類を見ない夫婦である。」
という書き出しから始まる独白。
一体どんな夫婦であるのか。
あらすじとして結果は有名でも、
徐々に紐解かれていく夫婦像を皆さんがどう捉えるのかとても楽しみな読書会でした。

集まったのは、
そこそこそ恋愛も経験されたとおぼしき年齢層の女性が中心で、
本作は初読という方が多かったです。

皆さんの読後の感想では
・ハッピーエンディング
・全く共感できず、読み進まない
・文体が読みやすい
・恐怖を覚える
など意見が分かれました。

この独白は主人公・譲治による女性描写が主な情景になるのですが、
譲治の心理変化も丁寧に描かれていて、
ただそれを追って行くと本当に愚かしいのです。

1)育ててやる←上から
2)与えてやる&勝たせてやる←上から
3)ダンスレッスンに付き添う←ナオミの世界へ
4)騙される←ここから対等以下に成り下がって行く
5)お前がいないとダメだ!
ここから歯止めの効かない身の破滅

これを、
読むのがツライ、
譲治が望んでいたこと、
自業自得、
ナオミによって開花された、
など感想には恋愛観の違いが出るなと感じました。

「ナオミだって譲治以外の人とはうまくいかないし、
彼以上の好条件男性とは望めない。」
というバッサリとした意見もでました。
(こういった感想、大好きです。)

ストーリーの鍵となるピースも数多くあり、
ナオミの野心(学習欲?女としての出世欲?)や
ナオミが読んでいた本、
源氏物語、あしながおじさんとの比較、
白色へのこだわりなどが話に上がりました。

私はこの作品を「世にも奇妙な物語」を見た後の恐さを覚えましたが、
(…あの一応収束しましたけど、なんかまだ恐ろしいコトあるかもよ。という感じです)
確かに2人だけをみれば大団円なんでしょうね。

最後、皆さんと、その後の2人を想像したところ、
酒の肴にしたい不幸の蜜が大いに溢れましたね。
内容は参加者さんだけのお愉しみということで割愛します。

友人の「痴人の愛こそ私の1番の本」ということで課題本に推しました。
彼女の情熱には負けますが、私にとって歳を重ねてもまた読みたい本になりました。
語りの場を持てたことに感謝申し上げます。

(by yoneko)
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古典文学の名作を読み、カフェでそれについて自由に語りあいます。
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